●10回記念講師座談会
●9〜1月 レッスンの記録より
●1月3日 本番のステージより
山中千尋
大和田レインボウ・プロジェクトが10年目を迎えました。おめでとうございます。まずは、主役のレインボウ・プロジェクトのみんなに大きな感謝の気持ちを伝えたいと思います。
一緒に演奏してきた子どもたち、みんなのさまざまな表情を思い出します。笑顔だったり、真剣だったり、ときどきお茶目にふざけてみたり。みんなの演奏は、コンサートにいらしてくださったお客さま全員の心に響きわたり、感動の渦に巻き込んでいきます。「また来年もコンサートに来ます」、「自分もステージで演奏してみたい」。みんなの音楽がたくさんの人を結びつけてきました。なんてすごいの!みんな天才!
レインボウ・プロジェクトのみんなとニューイヤージャズコンサートでご一緒させていただく時間、私はリハーサルからワクワクどきどきして、本当に楽しくて嬉しくて光栄です。10年のあいだに、小学生が高校生、大学生に成長しています。社会人になった子もいます。ここでの経験は子どもたちにとって、大きな糧になっているでしょう。大切な仲間もできたよね。
最初は、とても心配そうだった子どもたちが練習を重ねて成長し、本番当日の舞台で堂々と演奏を披露する姿にはひたすら感動すると同時に、いつも感激して涙してしまいます。素晴らしい先生方、プロフェッショナルなスタッフの皆さまのご尽力が、このコンサートを10年間支えてくださいました。プロジェクトリーダーとして多くを学ばせて頂いております。身が引き締まる思いで、1から勉強して少しでも精進を重ねます。
思い起こすと、あっという間でしたが、お正月は渋谷の大和田・さくらホールというのが、身体に染みついています。この季節になると1年が経ったこと、そして新しい1年が始まることを実感します。
中心になって子どもたちを指導されてきた松本治先生をはじめ、講師を務めてくださった先生方の親身な指導が、素晴らしいステージを生んでいることは申し上げるまでもありません。ありがとうございます。
プロジェクトを熱心に温かく見守りながらずっと支えてきてくださった渋谷区、そして何よりも保護者の皆さまの音楽へのご理解と愛情、多大なご協力なくしては、10年連続のコンサートは成り立たちませんでした。非常に意義深いプロジェクトを長年にわたって続けるためには、大変なご努力と情熱があったことと思います。本当にありがとうございます。
最初のテーマは、ビートルズでした。誰もが知る有名な楽曲を、練習を重ねて、作品に仕上げていく子どもたちの真剣な姿に目を見張られました。音楽、特にジャズは、一人一人の個性を自由に表現していいし、表現できる音楽です。堂々と舞台でソロ演奏を披露して、終わった時、満足した自信に満ちた笑顔を見せてくれます。
その後は、作曲家のガーシュウィン、ジャズ・ミュージシャンのチャーリー・パーカー、デューク・エリントン、チャールス・ミンガス、マイルス・デイヴィスといったジャズのレジェンドを取り上げてきました。彼らの演奏を聞くだけでジャズ史を振り返ることになります。
10年目の今年はセロニアス・モンクです。大人のジャズファンにも難しい、唯一無二の個性派ミュージシャンです。どんな演奏が繰り広げられるか、今から楽しみです。
最後になりましたが、レインボウ・プロジェクトがこれからもずっと続いて、子どもたちの素晴らしい演奏が、お正月の渋谷の街に響き続けることを願ってやみません。私もずっとサポートしていきたいと思っています。
演奏:山中千尋トリオ&大和田レインボウ・プロジェクト参加者の皆さん及び講師
1. Evidence
2. ‘Round Midnight
3. Ruby, My Dear
4. Five Spot Blues
5. In Walked Bud